創立60周年事業募金趣意書

 有明高専は、昭和38年4月に創立された国立の高等教育機関で、機械工学科・電気工学科・工業化学科の3学科でスタートし、その後、建築学科(昭和43年4月)及び電子情報工学科(平成元年4月)を増設するとともに、平成6年4月には、工業化学科を物質工学科に改組、平成13年4月には、専攻科(生産情報システム工学専攻、応用物質工学専攻、建築学専攻)を設置し、さらに、平成28年4月からは創造工学科(エネルギーコース、応用化学コース、環境生命コース、メカニクスコース、情報システムコース、建築コース)として、1学科6コース体制に改組し、現在に至っています。

 本校は、大牟田、荒尾の各駅から5km離れた萩尾台(福岡県大牟田市)に在り、近くに三池山、小岱山の四季の緑、遠くに有明海を隔てて雲仙岳・多良岳を望むことができます。このような恵まれた自然環境の中で、学生は自己形成に努め、勉学に勤しんできました。学生が科学的知見を生活に役立つモノとして具現化する技術に誇りを持ち、社会の発展に貢献することに喜びを感じ、やがて日本を背負って立つ技術者に育つように本校は努めて参り、これまで約8,600名の卒業生を送り出しました。卒業生は各分野において広く日本だけでなく世界各地で活躍しており、社会の期待に応えています。

 令和5年に、本校は創立60周年を迎えますが、現在、情報化社会の後に到来するSociety 5.0、すなわちサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会に向けて、時代は進みつつあります。同時に産業構造変化、地域社会の少子化高齢化、急激なグローバル化など、さまざまな答えの明らかでない課題が現実化しており、これらを先端技術の持続的な開発を活かして解決する人財が求められています。

 創立60周年を機に、皆様方からご寄付を募ることにより、時代に呼応した優秀な人財の輩出をはじめとした本校の機能をより一層強化するとともに、これまでに築かれてきた本校の礎をさらに強固にし、未来へ受け継いでいくため、様々な事業を実施する所存です。

 皆様におかれましては厳しい経済事情の中、多大なご負担をおかけいたしますが、本趣旨にご理解頂き、格別のご協力、ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 末筆ながら、皆様方のご健勝とご活躍をお祈りいたします。

                           

 

令和4年12月吉日

創立 60周年記念事業実行委員長                      八 木 雅 夫
(有明工業高等専門学校長)

有友倶楽部(有明工業高等専門学校同窓会)会長         岡   秀 昭