いじめ防止基本法

有明工業高等専門学校いじめ防止基本方針

平成26年7月17日制定

はじめに

 いじめが、いじめを受けた学生の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に大きな影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大な危険を生じさせる恐れがあることに鑑み、学生の尊厳を保持するため、定められた「国の基本方針」及び「いじめ防止基本方針」等に基づき、有明工業高等専門学校(以下、「本校」という。)におけるいじめ防止等のための対策に関して、本基本方針を定めるものとする。

1.いじめ防止等のための基本的な方針

(1)基本理念

 いじめは、いじめを受けた学生の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に大きな影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあること。また、いじめは、本校すべての学生に関係する問題であり、本校の学生一人一人がいじめを受ける、あるいはいじめを行う可能性が常にあること。

以上、二つの認識のもと、本校では、「いじめを行わず、許さず、放置せず」を念頭に、あらゆる機会を通じていじめの防止に全教職員・学生が組織的に努めることとする。

(2)いじめの定義

 本基本方針における「いじめ」とは、本校に在籍する学生に対して、当該学生と一定の人的関係にある他の学生(本校在籍学生等)が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった学生が心身の苦痛を感じているものをいう。

(3)いじめの禁止

 学生は、どのような理由があったとしても、いじめと認識される行為を行ってはならない。

(4)学校及び教職員の責務

 全ての学生が安心して学習やその他の活動に取り組むことができるよう、保護者、地域および関係諸機関との連携を図り、学校全体でいじめの防止と早期発見に努めるとともに、いじめが疑われる場合には、適切かつ迅速にこれに対応し、さらにその再発防止に尽力することとする。

 また、インターネットを介したいじめ(書き込み、無視)等の比較的新しい様々な形態のいじめ事象についても、その実態を的確に把握し、適切に対処する。

(5)組織的対応

 いじめの防止、早期発見およびいじめ事案の対応等に当たるため、「学生主事」、「教務主事」、「寮務主事」、「学生相談室長」および「学生課長」等で構成される「学生支援連絡協議会」を中核として組織的に活動し、いじめ問題の日常的な検証に努めるものとする。なお、情報集約等の初期対応の窓口としては、「学生主事」がその役割を担うものとする。

2.いじめの防止

(1)いじめ防止のための措置

 1)いじめについての共通理解を図る措置

  ・教職員対象の講演会や研修会を実施し、いじめに関する基本的事項について共通理解を図る。

  ・学生に対しては、1~3年生までの特別活動Ⅰの中で、いじめに関する講話を実施し、どういうことがいじめなのかということを認識させるとともにいじめは絶対に許されないという雰囲気を学内に醸成する。

 2)いじめに向かわない態度・能力の育成

  ・学外活動を含んだ学校生活における様々な団体活動(部活動、工場見学、ボランティア活動等)の場で、自分の存在が団体の中で占める位置を認識するとともに他人の存在価値を同等に認める姿勢を養う。

  ・通常授業の中で、自他の意見相違があった場合でも、他人の意見を尊重しながら、建設的な姿勢を示し、問題を解決していく経験を通して、円滑なコミュニケーションを図る能力を育成する。

  3)指導上の注意

  ・ストレスといじめの関連性等、いじめの背景となる事象についての理解を深めるために、学生相談室主催の教職員向け研修会等を継続的に実施する。

  ・教職員の不適切な言動が学生を図らずも傷つけたり、学生によるいじめを助長させたりする事実があることを教員会議等で確認し、指導には細心の注意が必要であることを共通認識する。

  ・障がいのある学生に対しては、状況に応じて全教職員にその情報を周知し、適切な理解と指導ができるように体制を整える。

  ・直接的な指導は担任が担当することを踏まえ、担任会を通じた情報共有や指導打ち合わせ等を恒常的に実施する。

  ・寮生活においては、特にその実態の把握に努めるため、寮務主事室が中心となり、宿直教員および寮務係等と連携して対応する。

 4)自己有用感や自己肯定感の育成

  ・特別活動Ⅰや高専祭・体育祭等の団体活動において、学生の特性に沿った役割分担を積極的に行い、活動終了時に、その功績をたたえる機会を設けて、学生の自己有用感を高める工夫をする。

  ・地域貢献活動に参加する機会を積極的に捉え、その活動内容を学外に広報し、学生の活動が社会の役に立っていると実感することができるようにする。

  ・皆勤賞や『私の薦める一冊の本』紹介文および各種体育大会優勝などの学生の努力の成果を積極的に表彰する。

3.早期発見

(1)基本的な考え方

 1)いじめは大人が気付きにくく判断しにくい形で行われることが多いことを教職員は認識し、ささいな兆候であっても早い段階から適切にかかわりを持ち、いじめを隠ぺいしたり、軽視したりすることなく、いじめを積極的に認知する姿勢を保持する。

 2)教職員相互が学科会議や担任会で情報交換を行い、学生が発信する危険信号を見逃さないようアンテナを高く保つ。

 3)特定の学生のグループ内で行われるいじめについては、特にわかりにくいという認識の下、特段の注意を払う。

(2)いじめの早期発見のための措置

 1)全学生に対して定期的にアンケート調査を実施する。

 2)学生がなるべく抵抗なく他者に相談できるよう、本校の学生相談室の活動内容について広報し、早期相談の機会を積極的に提供する。

 3)高専機構の健康相談室等、学外機関の紹介を含め、各種支援体制の存在を学生に周知する。

 4)担任による担当クラス学生の個人面談を適宜実施する。

4.いじめに対する措置

(1)基本的な考え方

 1)いじめの発見・通報を受けた場合には、特定の教職員で対応するのではなく、速やかに、かつ組織的に対応する。

 2)当事者に対する指導においては、事実関係を正確に把握し、被害学生を守り通すとともに、学生の人格形成に配慮しながら教育的配慮の下で加害学生を指導する。

 3)必要に応じ、関係機関や専門機関と連携し、保護者の協力を得て対応する。

(2)発見・通報を受けた時の対応

 1)いじめ行為あるいは疑われる行為の発見・通報を受けた場合は、別紙「いじめ問題対応図」に沿って、情報を得た教職員あるいは部署は、速やかに学生主事に連絡することとし、学生主事を中心として関連する全部署で情報を共有し、早い段階から組織的に.かつ的確に対応する。

 2)学校として組織的にいじめに関する情報を得た後は、「学生支援連絡協議会」で情報を共有し、必要に応じて調査チームを設置して速やかに関係学生から聴き取りを行い、いじめの事実の有無を確認する。

 3)加害学生に対して必要な教育上の指導を行っているにもかかわらず、その効果を上げることが困難で、犯罪行為として取り扱われるべき事案と認められる場合、及び学生の身体・財産に重大な被害が生じる恐れのある場合は、速やかに所轄警察署に相談・援助を要請する。

(3)被害学生又はその保護者への支援

 1)いじめ被害学生からの聴き取りを行う際には、第三者の同席を考慮する等、被害学生の心理的負担を軽減する配慮をするとともに、いじめられた側にも責任があるというような不適切な言動により、被害学生の精神的苦痛を増加させることのないように細心の注意を払う。

 2)被害学生の保護者へは、被害事実を把握した後に速やかに連絡し、安全確保と秘密厳守の旨を伝え、できる限り不安を取り除くよう努める。

 3)いじめが解決したと思われた後も、被害学生に対して、継続して細心の注意を払うとともに、保護者に対しても、聴き取りやアンケート等により明確になった事実を適切に情報提供する。

(4)いじめ行為を行ったとされる加害学生の指導又はその保護者への助言

 1)いじめ行為を行ったとされる学生に対しても、複数の教員が連携して聴き取りを行い、必要に応じて外部専門家の協力を得て、組織的にいじめ行為を停止させ、その再発を防止する。

 2)事実関係の把握後、迅速に加害学生の保護者に連絡し、いじめの事実と学校の対応に関し理解と協力を得る。

 3)いじめ行為に至った背景にも十分配慮しながら、いじめは人格を傷つけ、生命・身体の健全を脅かす行為であることを理解させ、自らに責任が所在することを加害学生に自覚させる。

 4)いじめの状況に応じて、一定の教育的配慮の下、計画に基づいた特別な指導の他、懲戒処分も含め、毅然とした対応を行う。

 5)指導に当たっては、いじめの背景の多様性に十分配慮し、懲戒等を一方的に行うのではなく、加害学生が主体的にいじめ行為の悪質性を理解し、その後、健全な人間関係を育み、人間的な成長ができるよう促す。 

(5)学生集団全体への働きかけ

 1)いじめは当事者のみの問題ではなく、その行為をやめさせることができない場合でも、誰かに知らせる勇気を持つことが集団を構成する人間として為すべき行為であることを全ての学生に理解させる。

 2)特別活動Ⅰを利用して、実際のいじめ事案に対して話し合い、いじめは絶対許されない行為であり、根絶しなければならないという雰囲気を学内に醸成する。

(6)ネット上のいじめへの対応

 1)誹謗・中傷等の書き込み内容を確認し、書き込みをプリントアウトして証拠保 全を行う。携帯電話等の場合には、画面の写真を保存する等の証拠保全を行う。

 2)いじめにつながるネット上の不適切な書き込み等については、被害の拡大を避けるため、サイト管理者等に対して直ちに削除依頼の措置をとる。

 3)ネット上の書き込み削除依頼に関しては、地方法務局に助言を求めるとともに、学生の生命・身体または財産に重大な被害が生じる恐れがある場合には、直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求める。

 4)ネット上の人権侵害問題等を含む情報モラル教育を継続して実施する。

 

〔参考:根拠法令等〕

・いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)

・いじめ防止基本方針(平成25年10月11日文部科学大臣決定)

・独立行政法人国立高等専門学校機構いじめ防止等対策ポリシー(平成26年3月27日付25高機学第93号)第6及び第8

 

附 則

この基本方針は、平成26年7月17日から施行する。

附 則

この基本方針は、平成28年4月1日から施行する。