ISOマネジメント教育(KOSEN4.0)の紹介
- 2019年03月28日
- 高専だより特集記事
担当の篠﨑 烈先生(創造工学科・人間・福祉工学系)に、ISOマネジメント教育(KOSEN4.0)について紹介いただきます。
モノの「規格」ではなく,モノを「うまく作る規格」を学ぶISOマネジメント教育
2018年9月から,モノをうまく作る規格である「ISOマネジメント」を学ぶ取り組みを行なっています.これは,高専機構が実施している「KOSEN4.0」という取り組みに採用されたものです.
高専の多くの専門科目では,JISという日本の工業規格を学びます.各国がその国の規格を持っていますが,世界共通の規格として「ISO」という「国際標準化機構」がまとめているものがあります.ISOでは,ネジの規格やクレジットカードの規格,非常口マークの規格に至るまで,多くの世界標準規格が定められて運用されています.その中で,モノの規格ではなく,作り方や不良品が出たときの報告の方法等を定めたISOマネジメント規格というものがあり,この取り組みでは,高専を卒業する皆さんにISOマネジメント規格を知ってもらうためのカリキュラムを考えてきました.
全国の高専でも実績が少ないと思われる5種類のマネジメントシステムを学ぶことができるカリキュラムで,(1)ISOの審査員による特別セミナー,(2)ISO審査機関による標準化の出前授業,(3)有明高専オリジナルのISOマネジメントシステムテキスト作成,(4)PDCAを実践する講義計画,(5)マネジメントシステム要求事項という資料のブースを設置,等を実施してきました.
この取り組みで,皆さんに学んで欲しいマネジメントシステムは,以下の5種類です.
■ISO9001:品質マネジメントシステム
■ISO14001:環境マネジメントシステム
■ISO22000:食品安全マネジメントシステム
■ISO27001:情報セキュリティーマネジメントシステム
■ISO45001:労働安全マネジメントシステム
みなさんが企業で働く時には,きっと避けて通れないマネジメントシステムですので,高専の若いうちから,「なぜ」「何を」「どうやって」というように興味を持って学んでいきましょう!

図1 学生,教職員,企業エンジニアが共に学ぶISOマネジメントシステムの基礎セミナー

図1-2

図2 ISO審査機関や元企業エンジニアの大学教員による出前授業

図3 ISOマネジメントの基本的な考えであるPDCAを学ぶものづくり実習

図3-2

図4 ISOマネジメントシステム教育の概要

図4-2