Web 版高専だよりNo.5 教員の研究紹介
- 2019年10月15日
- 高専だより特集記事
今回は、窪田先生の研究を紹介します。
○創造工学科 建築コース 助教 窪田 真樹 先生
気象データと聞いてどのようなイメージを持ちますか?
私の専門は建築環境工学ですが、気象データが建築に関係するというイメージはなかなか持てないですよね。
でも、この私が扱っている気象データというのは、建築の環境工学に無くてはならない存在です。
建物というのはただ建てるだけではいけません。
その建物に住む人が快適で安心して暮らせるように考えなければならないのです。
そのために、建物を建てる前にその建物が快適な建物となっているのかをシミュレーションします。
このシミュレーションというのは簡単に言うと、コンピューター上に建物を建て、
建物の中がどのようになっているかを確認する作業です。
夏は涼しく、冬は暖かくなっているか、そのときにどれぐらいのエネルギーを消費するのかなどを確認します。
こうしたシミュレーションを事前に行うことによって優れた建物を設計することができます。
このように大切なシミュレーションですが、これを行うためには建物を建てる場所の情報を
コンピューター上に再現してあげる必要があります。
同じ建物でも沖縄に建てる場合と北海道に建てる場合では全く異なる結果になることが想像できると思います。
沖縄では暑い夏を過ごしやすいように風通しの良い建物にしたり、
北海道では厳しい冬を過ごしやすいように建物の中の熱が逃げにくい建物にしたりします。
このように地域ごとに建物の違いがあるという見方で建物を見てみるのも面白いですね。
さて、私の研究で扱っている気象データですが、もうどうして建築において必要なのか分かりますね。
より快適な建物を建てるために必要なシミュレーションにおいて、
建物を建てる場所の情報を提供するものが気象データです。
気象データでは、気温や湿度などその場所の気候状態を1年間まとめて整理していますので、
コンピューター上に建物を建てる場所を再現することができます。
より良い快適な建築のための根幹を支える研究と言えます。