創造工学科 環境エネルギー工学系の石川元人助教の研究成果が、アメリカ化学会が発行する国際誌であるMacromoleculesに掲載されました。

研究論文のタイトルは「Adsorption of Janus-Type Amphiphilic Cellulose Nanofibrils onto Microspheres of Semicrystalline Polymers」です。

植物から取り出した超極細の繊維「セルロースナノファイバー（CNF）」は強さや熱安定性に優れ、かつサスティナブルな循環型資源として近年、世界中で注目を集めている最新のナノ素材です。汎用プラスチックとの複合化が数々試みられてきましたが、化学修飾や添加剤なしでは困難とされてきました。本研究では、天然原料から水のみを用いて溶し出したCNFが、一切の化学処理を経ずにプラスチック表面へ容易に吸着、さらに安定化する現象を見出し、定量評価することに成功しました。

本成果は、共焦点レーザー顕微鏡を用いた繊維の可視化手法と熱力学的な評価手法を組みわせ、基礎的な研究でありながらプラスチックとのナノ複合化といった応用展開にも波及効果を期待できるものです。