有明高専サーキットデザイン教育センター開所式・記念シンポジウムを開催しました
- 2025年10月10日
- イベント
- サーキットデザイン教育
2025年9月29日、おおむたアリーナ(福岡県大牟田市)において、有明工業高等専門学校サーキットデザイン教育センター開所式及び開所記念シンポジウムを盛大に開催いたしました。
次世代の半導体設計技術者を育成する新拠点が始動
近年、AIやIoT、自動運転技術の進展に伴い、その中核を担う半導体の重要性が一層高まっています。かつて世界をリードした日本の半導体産業の復権に向けては、特に「設計」分野における高度専門人材の育成が急務とされています。
このような背景のもと、本校は、長年にわたる半導体・集積回路設計教育の実績を基盤とし、全国の高専や産業界と連携しながら、日本の半導体産業を支える実践的かつ研究開発志向の人材を育成するため、本年4月に「サーキットデザイン教育センター」を設置しました。
開所式では、関大牟田市長、浅田荒尾市長、糸永有明広域産業技術振興会長より心温まるご祝辞を賜りました。また、本センターの設立にご支援いただいた日清紡ホールディングス株式会社、TOPPANテクニカル・デザインセンター株式会社、株式会社ジーダット、株式会社佐賀銀行、木村情報技術株式会社の各社に対し、感謝状を贈呈しました。
半導体人財育成の未来を展望する開所記念シンポジウム
開所式後には、『半導体人財育成と未来への展望』をテーマに記念シンポジウムを開催しました。会場は多くの企業・教育関係者の皆様にお越しいただき、満員の盛況となりました。また、木村情報技術株式会社のご協賛によるライブ配信も行われ、全国から多くの方にご視聴いただきました。
シンポジウムは以下の内容で実施されました。
【基調講演】
・池田 誠 氏(東京大学大学院工学系研究科附属システムデザイン研究センター長)
・安浦 寛人 氏(国立情報学研究所 副所長・九州大学 名誉教授)
お二方からは、日本の半導体戦略や世界で活躍できる設計技術者に求められる能力、そして高等専門学校が果たすべき役割について、示唆に富んだご講演をいただきました。
【高専の取組紹介】
・高倉 健一郎 氏(熊本高等専門学校 情報通信エレクトロニクス工学科 教授)
・城野 祐生 氏(佐世保工業高等専門学校 化学・生物工学科 教授)
国立高等専門学校機構が推進する「COMPASS 5.0」半導体分野の拠点校である熊本高専、佐世保高専より、それぞれの特色ある教育・研究の取組が紹介され、今後の高専間連携への期待が高まりました。
【パネルディスカッション】
「半導体産業を牽引する高専発イノベーション人材の育成」をテーマに、活発な議論が交わされました。九州が「シリコンアイランド」として再び注目を集める中、高専生が地域企業との連携を通じていかに新たな価値を生み出していくか、その可能性と具体的な方策が探られました。
有明工業高等専門学校サーキットデザイン教育センターは、今回の開所を新たな一歩とし、皆様のご期待に応えるべく、日本の半導体産業の未来を担う人材育成に邁進してまいります。今後ともご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
- 挨拶する有明高専の石川洋平サーキットデザイン教育センター長
- 記念撮影する各企業の代表者と有明高専八木校長
- 謝辞を述べる国立高専機構梶山理事
- 左から東京大学・池田教授、熊本高専・髙松校長、半導体関連企業からのパネリスト4名、有明高専・石川サーキットデザイン教育センター長